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(リンク)老人ホームに入居して『良かった』エピソード とは反対に、失敗したと思う方もいらっしゃいます。

私の経験上、そういった方は施設を探す際の準備や心構えが不足しているケースが多いです。

見学や体験入居をしっかりと行っていれば、「この老人ホームは間違いだったな」という失敗は大幅に減らすことが出来ます。

 

反面教師!?先輩たちの失敗談を施設選びの参考にしてください!

今回は入居後に「失敗した」と感じた方のエピソードについて紹介したいと思います。

いずれも必要な準備や確認を怠ったが為に起きたものですので、皆さんは反面教師のつもりで見てください。

※個人情報の都合上、話を少し脚色していますが内容の本筋に違いはありません。

 

施設の食事がだんだん辛くなってきた

≪概要≫
Aさん
75歳女性 要支援1の認定あり

夫に先立たれ自宅での生活に寂しさを感じたため、1か月ほど前に介護付有料老人ホームへ入居したものの1か月半で退去。

包括への相談は、施設のことではなく、知的障害を抱える息子への成年後見人に関すること。これがきっかけで、施設での失敗談を聞くこととなった。

roujin_syokuji

≪エピソード≫
夫亡きあと1人での生活を満喫しようと思うが、寂しさや無気力感が出る。

 そのことを友人に話したところ、有料老人ホームを提案され、隣市にある介護付有料老人ホームへ入居。

施設での人付き合いも増え、次第に活動的になったものの、日を追うごとに食事に対する嫌悪感が出てきた。理由は「美味しくない」「変化がない」から。

入居前の見学で試食した時は「まあまあ」だったにも関わらず、毎日食べるとなると嫌気がさし、拷問かと思うほどにまでエスカレートしてしまった。

食事をキャンセルしてコンビニやスーパーで買ったものを食べる時もあったそうです。

ですが、これでは施設にいても辛いだけだと思い、最終的には入居から1か月半で退去し、再び自宅での生活に戻ることにしたそうです。

食事が美味しくない表情の女性

老人ホームでの生活において食事は非常に重要な項目の1つです。

試食したにも関わらず、入居後に耐えられない程の苦痛を感じてしまう話は時折耳にします。

今回Aさんの失敗を皆さんが活かすならポイントは2つです。

1つ目は試食の際に「毎日食べられる水準か?」という点です。

「これなら我慢できる」というレベルではすぐに飽きてしまいます。Aさん同様「まあまあ」でも不十分でしょう。

個人差は当然あると思いますが、「毎日食べられるか否か」という基準で判断すると良いでしょう。

2つめ、ここが重要なポイントで、「メニューに変化はあるか?」という点です。

1日3回、年間で1000回を超える食事が、単調なものであれば苦痛でしかありません。これがレストランで出てくるような高級なものであったとしてもです。

食事の何が楽しいかというと、「今日はどんなものが食べられるのか」というワクワク感です。

和洋中を織り交ぜながら、時には少し豪華な食事やファーストフード感覚のものなどが季節や行事に合わせて食べられるから楽しいんです。

カップラーメン

私の知っている住宅型有料老人ホームでは、1か月に1度、希望者に「あえて」カップラーメンを提供しているそうです。

これは手抜きではなく、食事に変化をもたらせようと工夫を凝らした施設側のアイディアです。実際、入居者には大好評で、ほとんどの方がカップラーメンを召し上がるそうです。

そのため、ぜひ見学された際には1週間あるいは1か月分のメニュー表を見せてもらいましょう。

そこにはどんな食事が記載されているか。また、特別食や行事食など、普段とは違う味があるかどうか。試食だけではわからない情報が多く隠されています。

住宅型有料老人ホームとは?サ高住との違いも併せて紹介!

有料老人ホームのお試し入居を有効活用しましょう!

 

 

本人の意思とは違う方向へ流れてしまった

≪概要≫
・Bさん 85歳男性 要介護3の認定あり
・息子  60歳代

要支援2の認定を受けていた77歳の頃、家族と話し合い、「同じ施設で最後まで暮らしたい。余計な延命措置は一切不要」という意志のもと、住宅型有料老人ホームへ入居と。

包括への相談は、Bさんが入院している病院から「施設は退去して自宅に戻る可能性がある」と連絡が入ったことで家族も含めて連携していった。

≪エピソード≫
住宅型有料へ入居する際はBさん含め家族皆が「ここで終身まで」という思いだったそうです。
 
充実した生活を送っていたそうですが、ある日、肺炎により入院。

経過が思わしくなく容態が悪化。食事も十分に摂ることが出来なくなる。

そんな折、病院に呼び出された家族は、医師から胃ろうの造設を提案される。

急なことに混乱した息子でしたが、追い打ちをかけるように医師から「胃ろうをしなければ近いうちに息を引き取るであろう」と告げられ更に混乱。

このままBさんを看取る覚悟が出来るハズもなく、止む無く胃ろう造設に同意する。

病状が落ち着いたため退院となる頃、入居施設の相談員から「胃ろうの方は受け入れ出来ない」と言われる。

確かに施設のパンフレットには、胃ろう受け入れに関して「要相談」と記載があった。

相談員に打診するも「現在、胃ろうを扱える職員体制が整っていない」と突っ返されてしまい、泣く泣く退去することに。

結局、近隣の療養型病院へ転院となり、その1年3か月後に逝去された。

胃瘻をしている男性

Bさんのような医療行為に起因する退去ケースは多くあります。

『余計な延命措置は一切不要』
『同じ施設で最期まで』

という本人の意思は最終的に実現せずに逝去されました。

今回のケースで注意するポイントは2つあります。

1つ目は施設側の受け入れ体制を入居前にしっかりと確認していなかったことです。

医療行為に対する受け入れについて、「要相談」となっている場合、その時の人員体制などによって大きく変化します。

「頑張れば何とかなる」などという認識では甘いです。どのような場合(方法)であれば受け入れ出来るのか、施設側と入念に確認することが大切です。

2つ目としては、胃ろうについて息子(家族)だけで決めてしまった、という点です。

本来であれば、病院や施設も含めて相談しながら決めます。

施設としても造設前に息子からの相談を受けていれば「胃ろうになると受け入れが難しいです…」と一声掛けたでしょう。

また、施設の看護師などから助言も貰えたことでしょう。そういった利点があったにも関わらず、急な出来事に混乱して、ほぼ1人で決めてしまいました。

頭を抱えて悩んでいる男性

確かに、医師が「すぐ決めてください。命に関わります!」と語気を強めて決断を急かす場面を見かけます。

死なせたくないという息子の気持も十分に理解できますが、Bさんの意思はどうでしょうか?尊重されたでしょうか?

「どうしよう…」という息子の焦りもわかりますが、施設に入居しているのであれば、そちらへ相談するのが先決です。

人の命に関わることは決して1人、あるいは少数で判断しないでください。

どんなに焦っても、まずは一呼吸しましょう。次に落ち着いて相談が出来る人に話しましょう。結論を出すのはそれからでも遅くありません。それが結果的に本人や周囲の幸福に繋がります。

老人ホームの退去条件はしっかりと確認しておきましょう!

(リンク)医療法人が経営する施設の特徴

 

 

スタッフのケアが流れ作業のように感じた

≪概要≫
・Cさん 77歳女性 要介護2の認定あり
・息子 50歳代

認知症を患うCさんを同居の息子夫婦が介護していたが、施設入所も視野に入れた相談のため息子が地域包括支援センターへ来所。

自宅のような生活を続けさせたいという息子の要望により、空室のあるグループホームを複数紹介。そのなかから気に入った施設へ入居し、1年ほど経過。

≪エピソード≫
「自宅でのんびりとした生活を共同で営む」という点に強く惹かれ、グループホームをいくつか見学したそうです。

各々のやりたいことを職員と一緒にやるという自由な生活に魅力を感じ、もう少し在宅介護を頑張ろうと考えていた息子も施設入居させることを決意。

畑が広がる落ち着いた雰囲気で費用も安いグループホームに入居となる。

無事に入居を済ませ、久しぶりに面会へ行くと昼食の時間と重なっており、職員が食事介助やトイレ誘導などを慌ただしく行っていた。

その際、息子が気になったのが、職員は入居者の顔を一切見ることなく、それどころか私語を挟みながら介助していました。

それを見て「ベルトコンベアに母が乗せられている」ような気分になりました。

大事な母を流れ作業で心を込めずに世話する施設への不信感が生まれます。

その後も、建物や居室の掃除が行き届いていないことや、書類が入居者の手の届く場所に置いてあるなど、ちょっとしたことが気になり、費用の高い別施設へ移そうと思っているそうです。

不審に思う男性

私も経験がありますが、介護の現場は非常に慌ただしいです。

相手への心遣いはもちろん忘れませんが、時にはそういった大切な部分が頭から抜け落ちてしまうほどに、目まぐるしい毎日でした。

忙しくない施設は日本全国どこにもありません。あるとすれば、新規オープンしたばかりでほとんど空床の施設だけです。

見学だけで見極めるのは難しいですが、施設の良し悪しを比較的簡単に見分ける方法があります。

【見学必須!】老人ホームの質を見極めるポイント にも紹介している通り、

◆整理整頓が出来ているか?
◆(次に)スタッフに挨拶・笑顔が見られるか?

こういった点を見ていきます。

整理整頓ができていれば及第点と言えるでしょう。

しかしCさんが入居したグループホームは掃除や書類の整理が行き届いていなかったそうなので、「おもてなし」をするには不十分なレベルであったと言えます。

物が散乱している部屋

今より高額な老人ホームを検討している息子へ私はこう伝えました。

別施設への転居を検討するのは構いませんが、費用と介護の質は必ずしも直結しませんよ、と。

また、老人ホームの料金と質は比例するのか? でも紹介している通り、ケアとは「おもてなし」です。

おもてなしの心に設備や職員数は関係ありません。

そのため、次の施設を検討するのであれば費用うんぬんではなく、「整理整頓」や「挨拶・笑顔」そして「おもてなし」を見てください。とも併せて伝えました。

これはCさんや息子に限った話ではありません。皆さんにも同じことが言えます。

1度入った施設から移るというのは骨が折れます。次に入る所に対してもなかなか疑念は払拭できません。1発で良い住まいを見つけるために是非、スタッフの質を見極めてください。

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