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『老人ホームの身元引受人ってどんなことをするの?』
『身元保証人と何が違うんだろう?』

老人ホームに入る際に必要となる身元引受人。

この身元引受人はそもそもどんな役割を求められているのか。 何をしなければならないのかわからないと思います。

管理人

ということで今回は、老人ホームにおける身元引受人の役割をメインにご紹介していきます。

この記事でわかること
◆老人ホームにおける身元引受人の4つの役割
◆身元保証人との違い
◆身元引受人がいない場合どうすれば良いか

では早速ご紹介していきましょう。

なぜ身元引受人が必要なのか?

まず初めに、なぜ身元引受人が必要なんでしょうか?

管理人

それは老人ホーム側では出来ない範疇を行ってもらうからです。

生活に必要な介護や健康管理などは老人ホームで責任を持って行いますが、、、

◆緊急時の連絡先
◆入院時の手続きや治療方針の判断
◆費用の支払いが困難になったときの連帯保証
◆入居者が亡くなった時の身柄の引き取り

など、施設だけでは出来ない部分がどうしても生じてしまいます。

より安心・安全な生活を確保していくためにも身元引受人が必要なのです。

管理人

また、老人ホーム側では手を出せない範囲を誰がやるか明確にすることで、一種のリスク回避の側面もあります

原則は2名求められる

どこの老人ホームでも身元引受人を2名以上求めています。

物件を賃貸するときや就職などでも2名の身元保証人を求められますが、老人ホームでもその流れを踏んでいます。

2名も必要な背景としては、緊急的な連絡をする際の窓口確保もそうですが、利用料の未納金回収などを確実にするため、という側面が強いです。

管理人

有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅では身元引受人(身元保証人)を2名必ずつけようとする所が多いです。

利用料が高額になりすい老人ホームでは「必ず2名つけていください」とプッシュされることも。

ただ、特養や老健、他の施設では1名だけいればOKとする緩いところも。

管理人

普段から連絡が取れる人がいれば1名でも良いと判断する老人ホームも増えています

子どもですら関わりが希薄になっている時代ですから、多少の融通は効かせてくれます。

身元引受人に求められる4つの役割

では具体的にどのような役割を求められるのでしょうか?

老人ホームの身元引受人に求められる4つの役割
①定期・随時の連絡窓口
②介護保険証など役所関係の書類手配

③救急搬送や医療ケアが必要になった際の医療同意
④亡くなった際の身柄引取り

どこの施設でもこの4つは必ず求められます。

それぞれ細かく解説していきます。

役割①定期・随時の連絡窓口

入居者の直近の様子や体調の変化などがあれば施設から報告の連絡があります。

それ以外にも、、、

◆模様替えをしてほしい旨の連絡
◆生活に必要な物品(服やティッシュ類など)を持ってきてほしい
◆新たに福祉用具(介助用の食器や栄養補助食品など)を購入して良いか確認
◆事故があった際の報告 など

施設での生活を送るうえで必要な物品がでてくれば、身元引受人に了承を得なければいけませんので連絡がきます。

管理人

日用品や服など、スタッフが代わりに調達してくれる場合もありますが、基本的には身元引受人が行います

役割②介護保険証など役所関係の書類手配

老人ホームで生活していくためには介護保険の認定や後期高齢者医療保険制度などの書類が必要です。

◆介護保険証
◆介護保険負担割合証
◆後期高齢者医療保険証
◆後期高齢者負担限度額適用・標準負担額減額認定証
◆障がい者手帳
◆指定難病医療費助成証

など、あらゆる証書があります。

障がい者手帳1級などは1度貰えば更新が不要ですが、それ以外の大半は毎年の更新作業が必要です。

管理人

こういった更新手続きや、証書が届いた後に施設へ届ける作業を身元引受人が行います

介護認定の更新作業など一部は施設側で行ってくれるケースもありますが、基本的には更新時期を自分たちで把握しておきましょう。

作業としては年1回ですので、そこまで負担は大きくありませんが、利用料・医療費にも影響しますので必要な作業になります。

役割③救急搬送や医療ケアが必要になった際の医療同意

体調が急変したり治療や手術が必要になったり、ときには救急車を呼ぶようなケースが出てきます。

◆現在の病状を踏まえてどのような治療を望むか
◆最期をどのように迎えさせたいか
◆救急搬送したときに輸血や心肺蘇生などの医療行為を望むか

医療への同意や意思表示は老人ホームのスタッフでは出来ません。また、病院側からも「施設の人でなく家族を呼んでください」と言われます。

入居者ご本人が判断できるような状況なら話し合うことも可能ですが、認知症があったり急変によって意思表示ができないことがほとんどです。

大抵の場面では家族(身元引受人)が判断していくことになりますので、こういった医療への意向は早いうちに本人・家族間で話しておくと良いでしょう。

役割④亡くなった際の身柄引取り・退所手続き

もし逝去されたときの対応も身元引受人が行います。

◆葬儀会社の手配
◆亡くなったことを家族へ連絡する
◆亡くなったあとの退所手続き
◆老人ホームにある荷物の引き取り

こういった作業が出てきます。

家族

葬儀会社ってどこを選んだら良いか全くわからない

という場合でも大丈夫。どこの葬儀会社を選んでよいかわからないときは老人ホーム側が紹介してくれます。

あとは、業者と連絡してご本人を引き取ってもらったり、葬儀の日程・場所などを手配していきます。

管理人

その後の退去手続きが身元引受人の最後の役割となります

預けていた証書や荷物などを引き取り、部屋を空ける必要があります。そういった手続きが終わると、ようやく身元引受人としての仕事が終了します。

管理人

不要な荷物は老人ホーム側で破棄してくれることもあります

使わなくなった衣類や家具などを持ち帰っても使い道がないでしょう。

有料にはなりますが、不要なものは施設側で捨ててくれるケースもあります。

遠方にいる場合は身元引受人になれるのか?

家族

車で何時間もかかるくらい離れてるけど、それでも身元引受人として認めてくれるのかな?

もしアナタが身元引受人になろうとお考えの場合。遠方にも関わらず施設はOKしてくれるのか?

管理人

遠方であることを理由に入居を断られることはほとんどありません!

身元引受人といっても、大抵のことは電話連絡で済みます。介護保険などの手続きも郵送でやりとりすれば問題ありません。

飛行機でないと来れない距離にいる家族でも、身元引受人として認めてくれたケースは沢山あります。

管理人

しかし救急搬送などの際にどうしておくかは事前に施設側と話し合っておく必要があります

前述の役割③で触れましたが、救急搬送したときや治療・手術の判断が必要な場面が出てくることも。

このとき医療機関から「家族が病院にきてください」と言われることがほとんどでしょう。しかし気軽に行ける距離ではありません。

対処方法はケースバイケースですが、例えば、、、

家族が遠方にいて駆けつけられない場合の対応策
◆医療行為について事前に書面で意思表示しておく
◆病院(医師)と電話にて病状説明・意思表示をする

こうすることで緊急的なケースに対処していくことが多いです。

管理人

よほど協力的でない等の理由が無ければ、遠方であることを理由に断りませんのでご安心を

身元保証人との違いは?

今まで身元引受人と言う言葉で説明してきましたが、似たようなものに「身元保証人」というものがあります。

両者にそこまで大きな違いはありませんが、しいて挙げるなら身元保証人には未払金などの支払い責務が発生します。

管理人

賃貸物件を借りる際の「身元保証人」も家賃未払いがあれば代わりに支払う責務が発生するのと同じです

身元引受人にはそのような責務が明確に記されてはいません。

あくまでもキーパーソンとして連絡や施設での生活に必要な手続きなどを行うことがメインとなっています。

そのため負担の大きさとしては

『身元保証人』 > 『身元引受人』

といって良いでしょう。

もし身元引受人がいない場合はどうすれば良いか?

地域包括支援センターに相談がくるケースで多いのですが、施設に入りたいけど身元引受人がいない場合。

管理人

対応策としては主に3つあります

身元引受人がいない場合の対応策
①成年後見人・任意後見人をつける
②身元保証サービスを利用
③身元引受人が不要な老人ホームを探す

では具体的に解説していきます。

方法①成年後見人や任意後見人をつける

成年後見制度の類型イラスト

もっともベターな方法です。

認知症などによって判断能力が落ちている人に代わって、事務手続きや意思表示を行う成年後見人。

成年後見制度とは

成年後見制度(法定後見)とは?

成年後見制度(任意後見)とは?

成年後見人をつけることで施設側もOKとしてくれるケースが大半です。

管理人

成年後見人をつけるには数か月を要するので注意が必要です

必要な書類を準備して家庭裁判所へ提出する関係で、どうしても時間が掛かります。

どんなに短くても2か月はかかりますので、着任するまでの間をどのように対処するか、施設側と話し合う必要はあります。

管理人

場合によっては着任予定ということで、成年後見人が決まっていなくても受け入れてくれる老人ホームもあります。

しかし、それまでの間、保険証などの手続きや必要物品の持ち込みなどをどうするか宙ぶらりんです。

どう補っていくか、施設と確認していきます。

方法②身元保証サービスを利用

頼る親族がいない人のニーズに応えるために出来た民間のサービスです。

家族に代わって身元引受人や事務手続き、医療同意など細やかにサポートしてくれるサービスのことを指します。

身元保証サービスでやってくれること
◆身元引受人の請け負い
◆救急搬送時など緊急時の駆け付け
◆逝去した際の遺族への訃報連絡
◆葬儀・納骨  など

こういった会社と契約することで、施設側もOKしてくれるケースがあります。

管理人

成年後見人よりも手厚く支援してくれる反面、費用が高くなります

成年後見人は基本的に以下のようなことは出来ません。

成年後見人にできないこと
◆医療に関する同意
◆逝去した後の葬儀や納骨

そういった穴をより細やかに埋めてくれるのが身元保証サービスです。

しかし、初期費用が20万円、月3万円ほどのランニングコストが必要な成年後見制度と比べると、費用が高いです。

項目 金額
入会金 25万円
事務管理費 5万円
会費 35万円
身元保証料 35万円
万一の支援 15万円
葬儀代行費 35万円
合計 145万円

表は一般的な価格&サービスの内容ですが、150万円近く掛かってしまいます。

管理人

しかし価格に見劣りしないサービスが受けられるのも確かです。

亡くなった後の年金受給停止手続きや家財処分など、本当に幅広いサポートを受けられます。

もし金銭的に余裕があるなら検討してみるのも良いでしょう。

方法③身元引受人が不要な老人ホームを探す

方法が他にない場合の最後の手段として、身元引受人不要な老人ホームを探すことがあります。

入居の際にある程度の打ち合わせや確認事項だけ抑えれば、あとはすべて施設にお任せ!という所がたまにあります。

管理人

ただ、こういった施設はあまりおススメできません

こういった施設は、いわゆる貧困ビジネスを手掛けていたり、劣悪な介護をしているケースが多いからです。

管理人

質が悪くても文句を言う人がいないから問題ないと、手抜き介護をしている施設をたくさん見てきました

もう2度と関わりたくない!という関係の人であれば良いかも知れませんが、大切なご家族を入居させるのはおススメできません。

そのため、成年後見人を立てるか身元保証サービスを使うようにしましょう。

まとめ

以上が身元引受人の役割と、身元保証人との違いになります。

施設との懸け橋になる役割を担うので、できなら近しい関係の方や近隣の方が身元引受人になると良いでしょう。

ただ、場合によっては難しいケースもあるので、その際は施設のスタッフとも相談しながら、成年後見人などのサービスを利用してみるのもアリです。