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『介護するのはもう限界、、、でも施設に入るのを拒否する』
『なんでこんなに拒否するんだろう』
『何か良い方法はないかな、、、』

認知症の方を介護しているなかで、やはり出てくる問題の1つがいつ老人ホームに入居するか?ということ。

入居を嫌がるため介護者側が疲れ切ってしまうことも。

さらには本人に病識が全くないため、『私はまだ家で生活できる!』と思い込んでしまい、なかなか入居に繋がりません。

この記事でわかること
◆なぜ入居を嫌がるのか
◆そのときに出来る対策や準備
◆どういったタイミングで入居に繋がるケースが多いのか

頭を悩ませる介護者の方が多いので少しでも参考になったら幸いです。

なぜ介護施設を嫌がるのか。4つの理由。

まず初めに、なぜ認知症の方が老人ホームに入ることを嫌がってしまうのか。

これこそが認知症の症状の1つとも言えてしまうのですが、具体的にどのような心理状況なのか。

『こういう心理状態なんだ』と理解することで、アナタの声掛けや態度が少し柔らかくなったり対応が良い方向に変化するでしょう。

よく見られる4つの「嫌がる理由」を紹介していきますので、ご自身のケースと照らし合わせてみてください。

理由①自宅の住み心地が1番良いから

これは認知症の方に限らず、私たちも同様でしょう。

できるなら住み慣れた自宅で暮らし続けたい。この気持ちは認知症になっても変わりません。

また、認知症の人にとって環境が変わることは不安が非常に大きいです。

だからこそ勝手のわかる自宅、いつもと同じ雰囲気の居場所、落ち着く環境を手放したくないのです。

管理人

むしろ私たち以上に、自宅に対する執着が強いと思って良いでしょう。

理由②老人ホームへ入るほどボケていないと思っている

これも認知症の症状の1つですが、自分の病気への認識が全くといって良いほどありません。

『1人でも生活できてるのに何で施設なんか入るんだ!』
『家族がいなくたって今も全部自分でやってる!』

と言いながら鍋を焦がしたり、薬を飲み忘れていたり貴重品を無くしていたり。

老人ホームに入りたくない気持ちの裏返しかも知れませんが、施設に入ることで、、、

◆自分は老人ホームに入るくらい衰えてしまった
◆今までの失敗(失禁や貴重品の紛失など)を認めてしまう
◆「自分はボケてしまった」とレッテルを貼られる

こういった認識を自ずとさせてしまうことに。

管理人

介護を必要としている自分を認めたくない裏返しとも取れます。

ですので、『あなたは施設に入った方が良い!』という趣旨で強く言いすぎると、余計に反発が強くなってしまうので注意しましょう。

理由③見捨てられると思っている

言葉には決して出しませんが、結局のところ寂しいのかも知れません。

おじいちゃん

全て自分でやってるから施設には入らん!

と強く言い続けていた方が、いざ入居して家族が面会に来ると『会いたかった、、、』とボロボロと涙を流していることも。

言葉や態度では強がっていますが、心の奥底では家族と一緒に過ごしていたい気持ちや、それが出来なくなってしまう寂しい気持ちが入り混じっています。

管理人

だからこそ「私も離れるのが寂しい」気持ちを伝えてあげると良いでしょう。

理由④家族が介護するべきと思っている

介護サービスが整っている現代とは違い、いまの高齢世代は「介護は身内で」というのが当たり前でした。

だからこそ最後まで自宅で生活できると当たり前のように思っています。

管理人

ここは価値観の違いですので、どうすることも出来ない部分です。

相手の価値観はどうすることも出来ません。だからといって介護を続けていくにも限界が来てしまいます。

まず優先すべきは介護をしているアナタ自身です。アナタが倒れてしまっては大切な家族まで影響します。

老人ホームを嫌がる理由は結局のところ、、、

◆環境が変わることへの不安
◆自分が病気であることを認めたくない
◆家族と離れるのが寂しい

ここに集約されます。

だからこそ、この3点を意識した対応や声掛けをしていくと頑なだった態度も柔らかくなっていくでしょう。

もし強引に老人ホームへ入居させるとどうなるか

家族

同意も取れてないのに強引に入居させたらどうなるんだろう?

相手の同意は得られていない状況で老人ホームに入るとどうなるでしょうか?

同意を取ってからでは、いつまで経っても入居に結びつきませんし実際に半ば強引なかたちで入ったケースもたくさんあります。

ですが、問題があるかと言われると特にありません。

入居してしばらくは、、、

おじいちゃん

なんでこんな場所に入れたんだ!家に帰せ!

と不穏な様子が出てしまいますが、1か月もすると落ち着いて過ごせるようになってきます。

それまでは、精神的に不安定になってしまうことを理由に施設から面会を一時的に制限されたり、面会出来たとしても『家に連れていってくれ!』と訴えられることも多いですが、それも時間が解決してくれます。

強引に入居させたとしても関係が悪くなってしまうことはありません。あったとしても一時的なものですの心配は不要でしょう。

気を付けてほしい家族からの声掛け

家族

どうやって伝えたら本人が納得してくれるんだろう?

出来ることなら本人に納得してもらって老人ホームに入居させたいハズ。

しかし、いざ説得しようと話を持ちかけると『1人で生活できるわけないでしょ!!』『私ももう限界なの!』と強い言葉が出てしまう。

そんな言葉をぶつけられた本人は反発してしまい、事態は悪い方向へ。

管理人

声を掛けるときに意識してほしいのが2点あります。

声を掛けるときに意識してほしい点
①「説得」より「納得」できるよう話す
②相手主体で伝える

①「説得」より「納得」できるよう話す

これは認知症の方の対応方法の大原則でもあり、私が普段から心がけていることでもあります。

つい事実や正論などを投げてしまいますが、それでは反発を強めてしまうだけです。

ご飯を食べたばかりなのに「食べてない」と言ったとき
【説得】さっき食べたばかりでしょ!ほら、これアナタのお茶碗!米粒ついてるでしょ!
【納得】ごはん準備してる最中だから、お茶でも飲んで待ってて。

これだけで相手の受け取り方や心象はだいぶ変わってきます。

事実や正論は関係を悪くするだけです。まずは納得が得られるように意識しましょう。

②相手主体で伝える

これも「説得」より「納得」に通ずるものがありますが、話しているとついつい自分主体になってしまいます。

自分主体の話し方
◆私ももう限界なの!少しは休ませて。
◆自由な時間が欲しいの!

確かにこれも事実ではありますが、これで相手は納得してくれるでしょうか?恐らく反発されてしまうと思います。

しかし、言葉の軸を相手に切り替えることで伝わりやすくなります。

相手主体の話し方
◆この日は大切な予定が入ってどうしても一緒に入れないの。寂しい思いをさせてごめんね。
◆本当はいつでも近くにいたいんだけど、それが出来ないときに1人で不安な思いをさせたくない。

前述した「不安」「受け入れたくない」「寂しい」という気持ちに焦点をあてながら話すことで、今までより効果的に伝わるでしょう。

入居を拒否するときにできる5つのこと

相手の心理状態や声掛けの方法が分かったとしても、なかなかスムーズに入居へ結びつくことはありません。

これらはあくまでもベース作りであり、入居してもらうためのアクションとは異なる作業だからです。

ここからは老人ホームへの入居を嫌がっているときに、どういった方法でアプローチしていくか、その手法をお伝えします。

方法①ケアマネやヘルパーなどから話してもらう

恐らく介護保険のサービスを使っていると思います。

そういった場合は担当のケアマネジャーやホームヘルパーなど、家族以外の人から伝えてもらうと良いでしょう。

管理人

この方法の良いところは試しやすい点にあります。

家族では言いにくい部分も代わりに話してくれたり、逆に家族には言えない本音を聞けたり。

何度も繰り返していくうちに次第に心が傾いて、結果的に入居できたケースも数多くあります。

敷居の低さもあり試しやすいと思うので、ケアマネや本人と関係の良いヘルパーなどスタッフから話してもらえるか相談してみましょう。

方法②デイサービスやショートステイ、お試し入居などで徐々に慣れさせる

入居という最終地点をいきなり目指すのも難しいです。

そのため、まずは自宅じゃない場所で過ごすことに慣れさせることが必要なことも。

試してみる順番
①デイサービス
②ショートステイ
③お試し入居・体験入居

数字が大きくなるほど難しくなるので、まずはデイサービスに通って「介護を受ける」「人の集まる場所に行く」「老人ホーム(のような)雰囲気を知ってもらう」ことから始めてみましょう。

家庭によってはデイサービスに通わせるだけで一苦労、、、というケースもあるかと思います。

辛抱強く話していく必要がありますが、これも入居のために必要な一歩。デイサービスに通うことができれば、後はスンナリ流れていくこともあります。

【お悩みコラム③】夫がデイサービスを拒否するため自分の時間が持てない

方法③主治医から話をしてもらう

かかりつけ医がいる場合は、医師から話してみると良いでしょう。

古い付き合いだったり医師に信頼を寄せていればいるほど効果が高まります。

主治医から話してもらうまでの手順
①かかりつけ医のいる医療機関へ相談。事情を説明
②病院の相談員から医師へ掛け合ってくれる
③(OKの場合)どのように説明してほしいか再度、相談員へ伝えるor当日に渡せるよう書面で準備しておく
④診察当日に医師から話してもらう

高齢世代の方たちは「医師=絶対的な存在」です。

そんな人から『そろそろ介護を受けながら生活すればご家族も安心するんじゃないですか?』と言われたら恐らく気持ちが傾くでしょう。

1度で気持ちが傾かないようであれば何回かトライしてみても良いです。

もし気持ちに変化が見られた場合は次の方法へと移ります。

方法④老人ホームへ一緒に見学してみる

老人ホームへの意識がもし見られた場合。あるいは方法①~③が難しかった場合には老人ホームに一緒に見学してみるのも手です。

特に少しでも気持ちが老人ホームに傾いているタイミングはベストです。

施設側としても見学に来てくれる方は大切なお客様ですので、それはもう丁重に招いてくれます。

おばあちゃん

なんだ、、、施設って結構良いところなのね。

全く知らない場所への不安は誰にでもありますが、1度でも見てしまえばイメージがガラリと変わることも。

管理人

見学するときは事情を前もって伝えておくと、更に効果が高まります。

対応してくれるスタッフと連携することで、施設へのイメージをより良いものにしていきましょう。

方法⑤入居の相談をしている老人ホーム職員から話してもらう

特に有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの民間施設で使われる手法です。

第3者から話してもらうことで入居につながることも。

管理人

入居の相談をしている施設のスタッフであれば、柔軟に動いてくれることもあります。

入居のためのアプローチ例
◆綺麗で住みやすいお部屋を用意している
◆美味しい食事をご馳走させてほしい
◆マッサージのプロがいる
◆カラオケや温泉、その後のビールもウチで楽しんできませんか?

未来のお客様ですので、スタッフもあの手この手で入居にむけて口説いてくれるでしょう。

何度か足を運んでくれることで信頼関係も出来上がり、『じゃあ行ってみようか』と腰が上がることも。

人が変わることで動くケースも非常に多く見られます。ダメ元で構いませんので試してみると良いでしょう。

いつでも入居できるよう準備も大切

入居を拒むときの対策として①~⑤をご紹介しました。

それと並行して備えておくことがあるのですが、入居できる老人ホームを事前に用意しておきましょう。

管理人

入居のときは急にやってきます。その時に候補が無いとタイミングを逃したりバタバタとするでしょう。

そうならないためにも候補となる老人ホームに絞り、いつでも入居できるよう整えておくと良いです。

希望の老人ホームを簡単に探せるサイト があるので、もし候補が見つかっていないようなら絞っておきましょう。

実際は入院したときが1番のタイミング

認知症で老人ホームの入居を拒むケースは非常にたくさん対応してきました。

どのタイミングで入居につながることが多いのかを振り返ってみると、やはり入院したタイミングが圧倒的に多いです。

管理人

厳密にいうと退院するタイミングですが、それまでは何とか辛抱する形になっています。

私の経験則ですが、入居を拒んでいた人たちの約半数は退院のタイミングで老人ホームに移っています。

そこまではデイサービスやショートステイの数を増やしたりして、なんとかタイミングを伺うケースが多いのが現状。

ですが残りの半数の人たちのほとんどは、前述の方法①~⑤を試していました。

管理人

どうせ無理だから、、、と諦めずに模索することが何よりも大切です。

ただ、入居に向けて動くのは非常に骨が折れる作業です。まずはご自分の体調と相談しながら、出来る範囲でやればOK。

無理せず、ときにはタイミングに任せてみるくらいの気持ちで良いでしょう。

長期戦になる恐れもあります。まずは自分の心が穏やかになるためにはどうしたら良いか?を考えて機を待ってみてはいかがでしょうか?