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私も色々な家に訪問しながら話を聞いてきますが、飼っているペットを理由に入所を断念する方が非常に多くいらっしゃいます。

やはり『施設=ペット不可』というイメージが世間にはありますので、入居するのであればペットとお別れするという考えをお持ちでしょう。

しかし、なかには一緒に入居を受け入れている施設もあります。

家族の一員と離れ離れになることで心身に大きな影響を及ぼす恐れも十分に考えられることや、施設でも共同生活を継続することで安らぎや日常の充実が得られるという認識が広まっていると言えるでしょう。

 

ペットと入居可能な老人ホームではどのようなルールが設けられているのか?

そういった考えが業界でも浸透してきたのか、以前までは動物を施設に招くことをリスクと捉えていましたが、現在では可能な限り受けれていくスタンスの老人ホームが急増しています。

ただ、やはり他入居者が多数生活しているなかに動物を招くことで、トラブルなどのリスクが当然発生します。

施設側もリスクに対処すべく予め取り決めや別途の契約をすることで受け入れを可能としています。

今回は、ペットと一緒に入居する際に施設側が定めている事項や取り決めを中心に、どのような点に留意すれば良いかお話ししたいと思います。

 

受け入れ可としている施設の種類

犬と猫のイラスト

皆さまもご存知の通り老人ホームにも様々な種類があります。すべての種別で均等に受け入れOKということではなく、形態によって差が生じています。

どのような施設が受け入れているでしょうか。ペット入居可としている施設の種類や受け入れ度合いを、老人ホーム紹介サイトや私の経験を交えた上で紹介します。

受け入れ度合い 施設
比較的多い サ高住、住宅型有料、介護付有料
時折見かける グループホーム、特養
ほぼ無し ケアハウス、老健

民間企業が経営しているタイプは比較的ペットに対する受け入れは良好です。

反対にケアハウスや老健など、法人が経営している比較的公益性の高い施設では、そこまで進んでいないと言えます。

しかし、上でもお話しした通り、施設でも一緒に生活することによるメリットが業界でも浸透している関係からか、公益性の高い社会福祉法人や医療法人と言えどグループホームや特養などでは受け入れ可とする施設が増えています。

 

ペット可とする施設の探し方

老人ホーム検索サイトなどを見ると、ペットの受け入れを実施している施設は全国で約400カ所程度となっております。この手のサイトは全施設の情報を網羅しているわけではありませんので、実際には約1000カ所程度の施設が受け入れをしているのではないでしょうか。

ただ、ペット可の施設を探す際には老人ホーム検索サイトを利用した方が圧倒的に効率的と言えます。

こういった情報は役所でも取りまとめていませんので、問い合わせても「わかりません」と返ってくるのがオチです。唯一把握している社会資源が老人ホーム検索サイトです。

私自身もペット可の介護施設を探す際には同様のサイトを利用します。あとは同業者からの聞き取りくらいです。他に手だてがありませんので…。

 

細かな取り決めを設けている

丸とバツそれぞれの札を持ったウサギ

実際にペットの受け入れをしている施設でも、入居前に細かな取り決めを設け契約を交わします。

これは、入居者と施設側でルールに対して共通認識を持たせることや、トラブルが生じた際に迅速に対応する目的があります。

細かなルールについては施設ごとによってマチマチですが、ほとんどの施設で共通する規約を以下にまとめました。

 

種類や大きさ、匹数

ほとんどの施設では犬や猫に限定しています(亀やハムスターなどボックスから出ない生き物はほぼOK)。また、1匹までとしている所がほとんどです。

肝心の大きさですが、無理なく抱いて施設内を移動できる大きさが一般的な目安です。ペット可の施設でも大型犬などは入居を断られる恐れも十分あります。

 

飼育方法

マンションなどと同様ですが、共有スペースでは抱く、ボックスに入れるといった配慮が必要です。

また、壁や床に臭いや汚れを残さないよう気をつける文面が規約に盛り込まれている施設がほとんどです。

生き物なので多少の吠えは仕方ありませんが、無駄吠えが頻発するようだと「他入居者の平穏を害する」などを理由に共同生活が出来なくなる恐れがあります。

また、散歩が出来なくなった場合には職員が代行で連れて行ってくれる施設も多いです。代行費用が発生することがありますが、可愛いペットと元気に生活するためには必要な出費です。

ただ、施設スタッフがどこまでの世話を行ってくれるのかについては事前に確認しておきましょう。

 

飼育が困難になった場合

入居者の心身状態が悪化することで世話が出来なくなることが考えられます。そういった際の取り決めも規約に入っている施設がほとんどです。

一般的には施設職員が継続して世話をしてくれます(飼育代行費用の発生あり)。

体が動かなくなったり認知症になっても、ペットといることで心の平穏が保たれると考えているからです。

なかには、自分で飼育できなくなると身元保証人に引き取ってもらう施設もありますので、検討している施設がどのような取り決めをしているか入居前に確認が必要です。

 

飼育者が逝去された場合

家族に囲まれ息を引き取るお爺さん

ペットより入居者の寿命が先にくるケースも当然考えられます。この場合ほとんどは身元保証人(身元引受人)が引き取る形となります。

(リンク)身元引受人に求められることは?

身元保証人が引き取れないとなると他入居者などをあたりますが、それでも見つからない場合には保健所などに連れて行かれてしまいます。

家族などの身元保証人が引き受けてくれない場合には、予め世話をしてくれる引継者を探しておきましょう。

でなければ長年連れ添ってきたペットに対して、飼い主と別れた悲しみに更なる辛さを与える結果となります。

 

人や物に危害を加えた場合

人に危害を加えた際や物を破損させた場合の対処についての取り決めも規約に定めている施設が多いです。

人への危害に関しては相応の弁償を行い、物の破損については費用負担による処理や解決を規約に盛り込んでいます。

ペット関連のトラブルが多いイメージがありますが、私の周りでは少額の弁償に至ったケース1件しか聞いたことがありません(犬が他入居者のパソコンを落下させたことによる破損で5万円ほど)。

飼い主の皆さんも気を付けていらっしゃり、施設側でも対応に慣れているのか、大事に至ることはほとんど耳にしません。

 

ペットに対して理解ある施設が増えている

動物同士が手を繋いでいる

動物専門学校やブリーダー団体などを老人ホームに招いて入居者と交流を図っている施設は多くあります。それだけ動物とのコミュニケーションによる効果が大きいと考えられています。

そのため、ペットと一緒に受け入れを可能とする施設は年々増えています。施設としても在宅での生活の質をいかに継続するかを真剣に考えております。

そのため入居を機にそれら質を下げるわけにはいきません。入居者のより良い生活を考え抜いた結果の1つとしてペットも同時に受け入れています。

 

ペットが原因で施設生活の明暗を分けたAさんとBさん

私の担当していたケースで、1人暮らしでペット(犬)と生活していた方が2名いました。

それぞれ最終的には施設へ入所(住宅型有料とサ高住)しましたが、Aさんは愛犬と入居

Bさんは施設がペットの受け入れをしていないということで、泣く泣く知人に引き渡すことに。

2人とも別施設ながらも、ほぼ同時期に入居。

Aさんは愛犬との散歩を楽しみながら充実した生活を送っており、入居から3か月後に面会に行きましたが、とても明るい笑顔で「素敵な所を紹介してくれてありがとうね!」と仰って下さいました。

それとは対照的だったのがBさんでした。元々ハツラツと元気な方でしたが入居してから愛犬のことが心配で自分のことに手がまわらず、他入居者との交流も積極的になれず気力が急落した様子が簡単に伺えました。

結局、入居から5カ月ほどした経過した頃に軽度ながら認知症を発症してしまい、愛犬を心配しながら生活を送ることに疲れ果てていました。

幸不幸が両立しているパンダ

早々に諦めず、まずは探してみよう!

役所や地域包括支援センターでも、こういった情報をまとめて把握はしていません。

そのためペットとの入居を検討しているのであれば、老人ホーム検索サイトを利用するのがベストです。そういった情報をまとめている唯一の社会資源ですので。

LIFULLでペットと一緒に住める老人ホームを探す

また、受け入れについて文言が無い施設でも可能性は残っていますので、気になる老人ホームがあれば、積極的に問い合わせなどしてみましょう。

ペットと一緒に生活できる老人ホームを探す