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資料請求したパンフレットやホームページには「人員基準3:1」といった文言が(特に)介護付有料老人ホームなどで見受けられます。

これは入居者に対して配置される介護(看護)職員の人数を表しているのですが、相談に来たご家族や本人が

「そんなに多くの人が配置されているんですか?」と驚かれます。

これは勘違いで、実際はそこまで多くの職員が勤務している訳ではありません。

わかりにくい表現になっているため、具体的なスタッフ数や、どの程度の手厚さなのかが見えてこないと思います。

正しく理解することで、入居後の生活がよりイメージしやすくなります!

人員体制が手厚い老人ホームだと「2.5:1」や「2:1」などもあります。

『入居者2人にスタッフが1人ついてるんだから多少の要望なんてへっちゃらだろう…』

なんて思って入居すると痛い目をみてしまいます。

老人ホームの人員体制を正しく理解することで、入居後の

「こんなハズじゃなかった…」

という落胆を回避することが可能です。

そのため今回は、人員配置についてご紹介したいと思います。

 

 

各職種の配置基準

介護スタッフのイラスト

介護付有料老人ホームなどの「特定施設」では、人員に関する最低基準が介護保険法で定められています。

職種 基準
管理者 管理職務に従事する者(従業員との兼務は可)
生活相談員 利用者100名に対し1名配置
看護職員
(看護師/准看護師)
1名以上の常勤配置
⇒利用者30名以下の場合は1名以上
※利用者30名を超える場合は利用者が30名を超えて50名又はその端数を増すごとに1名加える
介護職員 ①1名以上の常勤配置
②常時1名以上の配置
≪看護・介護職員の配置基準≫
利用者:看護及び介護職員=3:1 (常勤換算にて)
機能訓練指導員 日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する資格者(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師又はあん摩マッサージ士)を1名以上配置。(他業務との兼務可)
計画作成担当者 専従する介護支援専門員を1名以上配置

介護付有料老人ホームっとは?施設の特徴をご紹介します

 

 

常時「入居者3名に対し職員1名」という意味ではない

人員体制3:1のイラスト

先程の基準を更に細かくすると、

◆入居者(要介護or要支援2の人)3名に対して1名の職員配置
(要支援1の場合は10名に対して職員1名)

入居者3名に対して常にスタッフが1名以上いるわけではありません。

要介護者(あるいは要支援2)3名に対して『常勤換算』1名が配置されているという意味です。

常勤換算とはどういう意味かというと…

【入居者90名、常勤20名、パート(週20h勤務)20名の施設の場合】

常勤20名はそのまま換算されます。

パート20名は常勤の半分である週20時間ですので、パート1人を常勤に換算すると0,5名になります。

そのためパート20名は常勤換算すると「10名」になります。

常勤と常勤換算されたパート職員を合わせると…

常勤換算で「30名」のスタッフがいる計算となります。

入居者90名に対し、常勤換算された職員30名で受け入れているため「3:1」という計算式になります。

「3:1」というのは入居者に対する全職員の割合です。
※現在出勤している人数ではありません

スタッフそれぞれを早番・日勤・遅番・夜勤・公休というシフトに振り分けます。実際には

【日中】入居者10名:スタッフ1名
【夜間】入居者25名:スタッフ1名

くらいの体制になるでしょう。

 

 

手厚い人員=良質なケア ではない

充実したスタッフ

基本は「3:1」ですが、なかには「2.5:1」「2:1」さらに手厚い施設では「1.5:1」という配置を売りにしている所もあります。

スタッフの数が増えれば、ケアが細かく行き届くだろうイメージしますが、これは必ずしも直結しません。

なぜならば、老人ホームの料金と質は比例するのか? でも紹介している通り

『良い介護』とはスタッフの人数ではなく「おもてなし」だからです。

入居者に対する心配りが出来ていなければ、ただ職員が多く虚しいだけです。逆に、月額費用が割高というデメリットの方が大きくなってしまいます。

そうなると、単にスタッフ1人あたりの業務量が分散されるだけです。

せっかくの手厚い人員も意味を成さず、入居者にとってのメリットがありません。

 

人員が手厚いほど良質な可能性は高い

反対に人員の手厚い施設で徹底されたケアを提供している施設であれば、本当に快適な暮らしが待っているでしょう。

【見学必須!】老人ホームの質を見極めるポイント でも書いてありますが、ピラミッド画像の4層目、「挨拶・笑顔」をクリアしている老人ホームは見学していて気持ちが良いものです。

kaisou

人数に余裕があるので、いつでも気軽にかつ長時間、スタッフと話していても大丈夫です。

あなたの何気ない変化や異変にもいち早く気付いてくれるでしょう。

パンフレットに記載されている人員体制には惑わされないでください。あなたの生活をサポートしてくれるのはシステムではなくスタッフ個人です。

「手厚いから質が良いだろう」と安易に決めず、自分の足で現場をぜひ見て下さい。

人員体制の手厚い老人ホームを探してみる