Pocket

『生活保護に「単給」っていうのがあるのを聞いたことがあるけど何だろう?』
『「境界層」っていうのもあるらしいんだけど、、、』
『それぞれどんな違いがあるの?』

生活保護を申請すると、たまに認定される「単給」や「境界層」というもの。

あまり聞き慣れませんが、生活保護の制度を支える大切なものと言えるでしょう。

この記事でわかること
◆「単給」とはどのようなものか?
◆「境界層措置」がどんな内容か?
◆それぞれの違い

今回は、老人ホームに関する内容とは少し離れてしまいますがご紹介していきます。

生活保護の単給とはどういったものか?

生活保護というのは、地域によって定められている「最低生活費」という基準に対して足りない分のお金や医療・介護を提供してくれるものです。

生活保護で賄われる扶助の種類
◆生活扶助
◆教育扶助
◆住宅扶助
◆医療扶助
◆介護扶助
◆出産扶助
◆生業扶助
◆埋葬扶助

全部で8種類の扶助がありますが、この8つを世帯の状況に応じて必要な〇〇扶助を支給しています。

管理人

「単給」というのは〇〇扶助を1つだけ支給することを指します

本来であれば「生活扶助」+「住宅扶助」+「医療扶助」+「介護扶助」のように複数の扶助が支給されるケースが多いです。

しかし、なかには収入があるけど生活していくのにはギリギリ足りない、という方たちもいらっしゃいます。

家計を圧迫している支出にのみ〇〇扶助を支給することで、最低限度の生活を保障していこう、というのが単給になります。

単給のよくあるケース

単給のほとんどは「医療扶助」のみが支給されるパターンです。

【例】医療扶助の単給
◆70代女性(単身世帯) ◆収入・・・6.5万円/月
◆持ち家はあるが資産価値はかなり低い
◆高血圧や糖尿病など色々な病気で通院している

高齢ということもあり病院にかかっているものの、診察料や薬のお金がそのたびにかかっている。

医療費だけで結構な出費があるので大変、というケースで生活保護を申請すると医療扶助だけが支給されることが多いです。

他にも生活扶助だけの単給や住宅扶助のみというケースもありますが、ほとんどの場合は単給=医療扶助となっています。

申請先は生活保護を担当する部署

家族

単給っていうのは理解できたけど申請はどこにしたら良いの?

申請先は生活保護を担当する部署(生活支援課など)にしましょう。

方法については普通の生活保護の申請を変わりません。

単給の申請をする、というものではなく生活保護の申請をしたら〇〇扶助のみ支給され、結果的に単給になるというイメージです。

境界層措置ってどんなもの?

続いて境界層措置についてです。

単給に比べると珍しい制度になりますが、生活保護の申請をすると境界層措置の判定が下りるケースもあります。

境界層措置とは?
生活保護の申請をした結果、生活保護の対象者には該当しない。けど、単に不可と認定したら生活が成り立たないギリギリの生活水準の人たちに向けて、所定の費用を安くすることで最低限度の生活を保障するもの。

〇〇扶助を支給するほどじゃないけど、そのままじゃ生活が成り立たない人たちに向けた制度です。

「所定の費用」と書きましたが、大きく分けて5つの費用が必要に応じて安くなります。

境界層措置が適用される項目

①給付制限措置の給付額減額等の記載の削除
②居住費又は滞在費の負担限度額の変更
(例)介護保険施設の入所にかかる多床室の居住費について、利用者負担段階を第2段階(1日につき370円)から第1段階(1日につき0円)に変更する。
③食費の負担限度額の変更
(例)介護保険施設の入所にかかる食費について、利用者負担段階を第2段階(1日につき390円)から第1段階(1日につき300円)に変更する。
④高額介護サービス費の上限額の変更
(例)1ヶ月あたりの利用者負担について、利用者負担上限額を1ヶ月44,000円から1ヶ月24,600円に変更する。
⑤介護保険料額の変更
(例)介護保険料段階を第3段階から第1段階へ変更する。

特養や老健で生活する人たちに向けた項目が多いです。

年金が4~6万円ほどある。けどそれだけでは施設の支払いが難しいという場合に部屋代や食費を少し安くするといった内容が境界層措置です。

管理人

境界層になると全てが適用されるわけではなく、必要に応じて各項目が適用というイメージです

申請先は同じく生活保護を担当する部署

申請は生活保護を担当する部署です。

境界層の認定も単給と同じように、結果的に境界層措置の認定が下りるというものです。初めから境界層の申請をするわけではありません。

管理人

しかし境界層措置の場合は毎年申請が必要なこともあるので注意しましょう

例えば上の青枠にある②③などは、いわゆる介護保険負担限度額認定を受けるわけですが、こちらは毎年7月末で認定が切れるためそのたびに更新する必要があります。

更新の時期になると役所から連絡がきますが、生活保護の単給とは異なり毎年申請することがあるので覚えておきましょう。

生活保護の単給と境界層措置って何が違うの?

以上が生活保護の単給と境界層措置の説明になります。

家族

それぞれどんな制度かわかったけど、単給と境界層って何が違うの?

単給と境界層の違いについて聞かれることもありますが、両者を比較するとこのようになります。

◆単給・・・・生活保護に該当する
◆境界層・・・生活保護には該当しない

おおまかに言うとこのような違いがあります。

管理人

境界層の方たちは生活保護ではありません。そのため担当になるケースワーカーも付きません。

生活保護の認定を受けると、定期的に訪問して様子を見にくるケースワーカーがつきます。

また、単給の場合はなにか突発的な支出が発生したときにケースワーカーに相談すると、保護費が特別に支給されるケースもありますが、境界層ではそのような対応も望めません。

あくまでも生活保護に頼らず自力で生活していくための措置が境界層ですので、何かあった時の安心感は薄いと言えます。

まとめ

以上が生活保護における単給と、境界層措置のご説明でした。

福祉・医療に携わる人たちでもなかなか聞かない制度ではありますが、特養や老健に入居を考えている人で所得がギリギリの場合にはこういった資源を使うことがあるかも知れません。

また、先ほども書きましたが単給や境界層はあくまでも申請をした結果、こういった認定が下りるものです。

「単給を受けたい」「境界層措置を受けたい」と狙って申請するものではありません。

こういった社会資源もあるということで頭の片隅に入れていただけたら幸いです。