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生活保護法の文面にも「必要最低限度の生活保障」が明記されています、しかし実際にどの程度の金額を受け取ることが出来るのでしょうか。あるいは受給するために設定されているラインはどれくらいでしょうか。

担当課の人は受給の可否を教えてくれるものの具体的な数字は教えてくれません。しかし、申請を検討している方からすれば、試すに値する数字はどの程度なのか気になることでしょう。

そこで今回は生活保護の支給額についてご紹介します。全て網羅すると膨大な量になってしまいますので、高齢者に関わる部分に限定してお話しします。

地域によって物価が異なりますので、その程度によってランク分けをしています。「1-1級地・1-2級地・2-1級地・2-2級地・3-1級地・3-2級地」の6段階に分けられており、1-1級地が最も基準額が高く設定されています。

今回は1-2級地の基準額に焦点を当ててみます。これは私の担当する自治体とは異なりますが、人口の割合が最も多く分布されているため、この級地を選択しました。

 

支給される保護費

生活保護の費用には「生活扶助」や「住宅扶助」、「生業扶助」「教育扶助」「出産扶助」など色々な項目がありますが、高齢者に関するものに絞ってご紹介します。

 

生活扶助

最も基本的な扶助になります。受給されている方のほとんどが生活扶助を貰っており、年齢や世帯人数によって細かく決められています。

1類と2類分かれていて、1類は個人の食費などに、2類は世帯で消費するもので水道光熱費などに該当します。

まずは1類の基準額です。この数値は世帯人数ごとに加算されます。

0~2歳 3~5歳 6~11歳 12~19歳
25,520円 28,690円 32,920円 37,500円
20~40歳 41~60歳 61~69歳 70歳~
36,790円 37,670円 37,320円 32,380円

次に2類の基準額です。

1人世帯 2人 3人 4人 5人
39,050円 48,030円 56,630円 58,970円 62,880円
6人 7人 8人 9人 1人増毎
66,390円 69,130円 71,870円 74,590円 2,730円

これに加え『逓減率』というものがあります。1類とこの数値を掛け算することで、正式な生活扶助費が導き出されます。

1人世帯 2人 3人 4人 5人
1,0000 0,8850 0,8350 0,7675 0,7140
6人 7人 8人 9人 10人
0,7010 0,6865 0,6745 0,6645 0,6645

以上を踏まえ、計算式は以下のようになります。
「1類の合算」×「逓減率」+「2類」=生活扶助費 

例えば75歳の夫婦2人世帯の場合、このような計算になります。

「32,380円+32,380円(1類)」×「0,8850(逓減率)」+「48,030円(2類)」=103,400円となります。

 

住宅扶助

賃貸物件に住んでいる場合には家賃分が扶助として支給されます。あくまでも家賃という名目ですので共益費などは支給されません。

人数 単身者 2人 3人 4人
住宅扶助 43,000円 52,000円 56,000円 56,000円
更新料 84,000円 90,000円 97,500円 103,500円
敷金 224,000円 240,000円 260,000円 276,000円
人数 5人 6人 7人以上  
住宅扶助 56,000円 60,000円 67,000円  
更新料 109,500円 109,500円 115,500円  
敷金 292,000円 292,000円 308,000円  

仮に夫婦で52000円の物件に住んでいたとします。どちらかが亡くなり単身世帯になった場合には基準をオーバーすることになりますので、単身者の金額内に収まる物件に引っ越すよう指示が下されます。

 

その他

受給者が無くなった際にも「葬祭扶助」として葬儀などの費用が支給されます。

大人 206000円以内
子ども 164,800円以内

また、介護が必要な状態でオムツを使用している方にも「被服費」という名目でオムツ代が20,100円以内で支給されます。

引っ越しをしたときに家具や食器が一切ない場合には「家具什器費」が支給されます。必要であれば冷暖房器具を購入する費用も支給されます。

家具 27,800円以内
冷暖房 20,000円以内

 

預金が無ければ条件をクリアする高齢者は多い

上の表の通り、単身者で賃貸物件に住む高齢者は約12万円が受給可否のラインになります。老々世帯の場合は約15.5万円程度です。

高齢者の場合、主な収入は年金しかありませんので、この基準額を下回っているかたは多くいらっしゃいます。ただ、受給要件の1つに「預貯金が基準額の半分以下」とあります。12万円がラインの場合は預貯金が6万円以下にならなければ申請しても通りません。

申請するも却下されてしまう方の多くは数十万・数百万円と貯蓄があります。反対に、これが底をついてしまえば通ってしまう方が大勢いるということです。

もし検討しているなら、まず自分の自治体が定める基準額を調べてみましょう。「生活保護+自治体名」で調べればおおよその金額がわかります。基準より少し上回っていたとしても申請してみる価値は十分にありますので、ダメ元でも担当課に話をしてみましょう。

(リンク)生活保護を受けるための手続き

(リンク)生活保護でも入所できる施設はあるのか?

(リンク)所得に応じて費用が減免される施設がある