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国の方でも在宅生活を続ける方向で施策を推し進めています。その中でも期待されているのが「訪問看護」というサービスです。

少し前までは、医療=病院で受けるもの という認識でしたが、現在では看護師(あるいは理学療法士など)が自宅(施設)に来て処置やリハビリを行ってくれます。医療機関で行うようなケアも病院へ掛かる必要がありませんので、手軽に医療を受けられることに魅力があります。

サービスに対する地域の方の理解度は未だ薄いように感じますが、医療依存度の比較的高い人たちが在宅生活を続けていく上で必須となるサービスです。どのような内容なのかご紹介したいと思います。

 

サービス内容

主に看護師が生活の場へ訪問して、医療的な処置やアドバイスをしてくれます。また、理学療法士などのリハビリ職も配置されていますので、拘縮予防のための機能訓練を受けることも可能です。

【具体的なサービス】

◆血圧・体温・脈拍などのチェック  ◆床ずれ処置
◆浣腸・摘便  ◆痰の吸引  ◆ガーゼ交換  ◆口腔ケア
◆人工呼吸器管理  ◆点滴・注射・採血
◆IVH管理(中心静脈栄養)  ◆精神的不安への声掛け・傾聴
◆在宅酸素管理  ◆認知症ケア  ◆家族への医療アドバイス
◆機能訓練・嚥下機能訓練  など

このように介護職員では出来ない医療的なケアを訪問看護サービスで幅広く受けることが出来ます。これらサービスが24時間体制で受けられます。

 

医療保険の訪問看護と介護保険の訪問看護

同じサービスでも医療保険(後期高齢者医療制度・国民健康保険・健康保険)適応で利用する時と、介護保険適応で利用するケースがあります。それぞれ提供時間や料金に微妙な違いがあり併用することは出来ません。

 

適応保険のすみ分けの方法

介護保険の認定を受けている方は介護保険優先となり、そちらでの訪問看護を利用することになります。

認定を受けていなかったり、厚生労働大臣の定める疾病に該当する、あるいは病状の急激な悪化によって医師の指示が出た場合などは医療保険が適応されます。

【厚生労働大臣が定める疾病】

●末期の悪性腫瘍  ●多発性硬化症  ●重症筋無力症
●スモン  ●筋萎縮性側索硬化症  ●脊髄小脳変性症
●ハンチントン病  ●進行性筋ジストロフィー症
●パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ三以上であって生活機能障害度がⅡ度又はⅢ度のものに限る))
●多系統萎縮症(線条体黒質変性症、オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)
●プリオン病  ●亜急性硬化性全脳炎
●ライソゾーム病  ●副腎白質ジストロフィー
●脊髄性筋萎縮症  ●球脊髄性筋萎縮症
●慢性炎症性脱髄性多発神経炎  ●後天性免疫不全症候群
●頸髄損傷   ●人工呼吸器を使用している状態

 

料金とサービス提供時間

公的保険制度のすみ分けについて何となくイメージが掴めたと思います。どの保険で利用するかによって料金とサービスの提供時間が少し変わります。

 

介護保険での料金と提供時間

まずは看護師によるサービス提供の料金と時間です。

提供時間 料金(1回あたり)
20分未満 310円
30分未満 450円
30分~60分未満 820円
60分~90分未満 1120円

次に理学療法士や作業療法士によるサービス提供の料金と時間です。

提供時間 料金(1回あたり)
20分 300円
日に2回以上の場合 270円

 

事業所によりますが夜間や早朝は25%ほど割り増し料金になります。介護度に関わらず1回〇〇円という形は訪問介護と同じ料金体系と言えます。

介護保険で訪問看護を利用する方は、ヘルパーやデイサービスなど他にも組み合わせているケースがほとんどです。負担限度額の都合もありますので、実際には週1~2回ほどの利用に落ち着きます。

医療保険での料金と提供時間

介護保険とは異なり、看護師や理学療法士などの資格に関わらず同一の料金・提供時間になっています。

提供回数 料金
週3回まで1日につき 555円
週4回まで1日につき 655円

1回あたりの提供時間は30分~90分です。また、介護保険とは違い支給限度額がないため医師が必要と判断すれば介護保険よりも多く利用することが可能になります。

表に記載されている料金は1割負担の場合です。前期高齢者などの3割負担の方は3倍の料金が掛かります。

週4回以上利用するためには、終末期であったり急激な悪化が見られる、退院直後などの理由が必要です。そのため医療保険で訪問看護を利用する場合には週1~3回までに落ち着くケースがほとんどです。

また、介護・医療保険それぞれ同様ですが、表の料金から更に事業所ごとの加算がありますので、実際にはもう少し高い値段になります。

 

住み慣れた場所で生活を続けるために必須なサービスである

自宅(施設)にいながら医療が受けられるサービスです。もし自宅など住み慣れた場所で引き続き生活したいと考えているなら訪問看護は非常に有益と言えます。

胃ろうやIVH、在宅酸素や人工肛門など、以前なら病院でなければ難しい状態でも入院せずに生活出来ます。国も在宅生活を長く続けることを推し進めている背景があるため、今後さらに難しい状態の方でも受け入れて支援していくと考えられます。

訪問看護を入れるような状態の人は、ヘルパーやデイサービスなども同時に利用しているでしょうから、可能な限りその人らしい生活を自宅(施設)で続けたいと考えているなら、ケアマネジャー含め家族も一緒に密な連携をしましょう。