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介護保険サービスの代表格と言えるのが訪問介護です。これは要支援1~要介護5までどのような状態の方でも実際に利用している馴染みあるサービスと言えます。ご本人宅あるいは施設入所している方は居室に訪問して必要なサポートをしてくれますが、実際にどの程度までの支援が受けられるでしょうか?

ここではサービスの中身や料金、利用要件などについてご紹介していきます。

 

サービスの内容

自宅(居室)に来て日常生活に必要な支援を行ってくれるのがホームヘルパーですが、サービスの内容が『身体介護』『生活援助』の2つに分類されます。それぞれどのようなケアをしてくれるのでしょうか。

 

身体介護の内容

直接身体に触れるようなケアを行う場合は、ほぼ身体介護に該当します。ただし医療的な行為などが絡む場合、介護職員は出来ませんので注意が必要です。

【身体介護の内容】

◆排泄の介助
◆体位交換
◆ベット⇔車イス などの移乗
◆服薬の見守り
◆食事介助
◆着替え・整容
◆入浴

これらが該当します。これらケアが必要な人のほとんどは介護度の重い方ですので、要介護1~5の方(特に要介護3以上)が利用しています。また、提供時間ごとに料金も定められています。

提供時間 料金
20分未満 170円
20分~30分未満 250円
30分~1時間未満 400円
1時間~1時間半未満 580円

料金については地域や事業所によって多少の誤差があります。また、2人体制でヘルパーが対応した場合には倍の料金が発生します(大柄な男性の移乗やトイレ介助など)。

20分未満のサービスについては「夜10時から早朝6時までに提供されるサービス」などの一定要件がありますので、ほとんどは「20分~30分未満」で利用しています。

生活援助の内容

対象者が生活を送る上で生じてくる支障をクリアするための援助をするサービスです。ヘルパーを利用している要支援や要介護1レベルの軽度者のほとんどは生活援助が入っています。

【身体介護の内容】

◆掃除・洗濯
◆買い物
◆調理・食後の片づけ
◆ゴミだし

このように、日常生活を送る上で必要な家事動作のサポートをメインにしています。

提供時間 料金
20分~45分未満 180円
45分以上 230円

こちらも身体介護同様、職員2人体制で対応した場合には倍の料金が発生します。しかし、生活援助を2人体制で行うケースはあまり見かけません。

 

本人に関係する部分しかケアが受けられない

当然の話しですが、本人の援助に直接関係のない部分については「生活援助」の対象外になります。

【対象外となる生活援助】

◆子供など若い世代と同居しており、それらによってサービスを利用しなくても家族が行ってくれる場合。(障害や疾病等の理由により困難な場合は除く)
◆配偶者が代わりに行える状態の場合。
◆ヘルパーが行わなくても日常生活を営むのに支障が生じない場合。
◆日常的に行われる家事の範囲を超えている場合(家具・家電の移動や植木の剪定などの園芸、タンスの天井部分の引き取りなど大掃除のような作業など)

これらに該当する場合、介護保険制度の趣旨にそぐわないため1割負担で訪問介護を利用することは出来ません。あくまでも日常生活を営む上で必要な支援に限られます。

 

施設にいる人の訪問介護の使い方

サ高住や住宅型有料、ケアハウスなどのサービス外付けタイプの施設の場合は、在宅生活をしている人と同様に、日常生活に支障がある部分のサポートを外部のヘルパー事業所に依頼します(ほとんどの施設が訪問介護事業所を併設しているため、外部という言葉はそぐわないですが…)。

◆軽度者…掃除や買い物などの生活援助がメイン
◆重度者…排泄介助や着替えなどの身体介護がメイン

介護度によって枠内のような使い分けが自然とされています。軽度者であれば、これに加えて週1~2回ほどデイサービスに通っています。重度者は、デイサービスや訪問看護など状態によって様々なサービスを複合的に組み合わせます。

ただ、ベット⇔車イスなどの移乗や排泄介助、着替えなどの身体介護は実際数分で終わってしまいます。これを逐一、介護保険サービスとしてケアプランに位置付けてしまうと、あっという間に限度額を超えます。そのためサ高住や住宅型有料などでは「サービスパック」(名称は施設によって様々です)という定額徴収している費用のなかで対応している事が多いです。3万円ほどの料金ですが、限度額を超えて介護保険費用を支払うよりも限りなく安くできます。

(リンク)ケアハウスってどんな施設?

(リンク)住宅型有料老人ホームってどんな施設?

(リンク)サービス付き高齢者向け住宅ってどんな施設?

 

あくまでも自立を支援するサービス

なかには過度にサービスを導入して楽しようとする方もいらっしゃいます。しかし、介護保険制度の趣旨はあくまでも自立支援のためのものです。本人が出来ない・難しいと感じている部分を代行してもらいつつ、可能なところは自力で行う。あるいはヘルパーと協働することで、その人の残存機能を活かすことが目的です。

限度額が設定されているので過度な利用は出来ない仕組みになっていますが、私の個人的な考えとしては、いつまでもお元気で自立した生活を継続するためには、出来る部分は自力で頑張って欲しいということです。

例えば週2回の買い物も、面倒に感じてヘルパーに頼むのと自力で頑張るのでは、数年後に大きな差になって我が身に返ってきます。必要な品物を考えることや、そこまで移動すること、スーパーという社会との交流を持つことなど、買い物1つでもバカにならない程のメリットが隠れています。

日頃にちょっとした頑張りや工夫があなたの数年後の生活の質に大きな影響を与えます。可能な限り自分で行うことを目指してはいかがでしょうか。