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『お金がないから安く入りたい…』
『生活保護で入所できれば楽なのに…』

と悩む家族は大勢います。

介護老人保健施設は、数ある老人ホームのなかでも安く入所できる施設の1つです。

そのため、生活保護を受給しながら入所している方も多くいます。

ただ、老健は「在宅復帰を目指す施設」であり、住民票を移すことが原則できません。

そのため生活保護を受給しながら入所するには留意点があります。

今回は生活保護を受給しながら老健に入所するためのチェックポイントを4つのパターンに分けてご紹介します。

 

まずは生活保護の原則から

老健での生活保護うんぬんを説明する前に、まずは生活保護に関する原則を説明します。

◆家・土地は売却。それで手に入った金銭や財産を使い切ってから世帯単位で受給が原則
◆本人の収入あるいは家族のサポートで生活費が賄えるなら受給はできない
◆老健に住民票を移すことは原則できない(しない)
◆老健で生活保護の人が入所できるのは「多床室」のみ

 

管理人

この4つを前提にお話していきます

(リンク)生活保護を受けるための手続き

(リンク)生活保護が受給できる基準はどのくらい?

(リンク)老健に住民票を移すことは出来るか?

 

パターン① すでに生活保護を受給している場合

 

お金と硬化のイラスト

すでに生活保護を受給している方が老健に入所しようというケースです。

この場合、基本的には生活保護を受けたまま入所するので特に問題はありません。

そのため多床室の空いている老健にアタックすればスムーズに入れます。

ただ、入所と同時に生活保護が外れてしまうケースもあります。

管理人

それは『収入が老健の最低生活費を上回る』ことです。

よくあるケースですが、在宅中は生活保護に該当していた方が、老健や特養など安い施設に入所すると自分の収入だけで施設費用を賄えてしまうことがあります。

そうなれば生活保護を受ける必要がなくなり、保護は廃止となります。

管理人

単に生活保護が外れるだけです。入所に支障をきたす訳ではないのでご安心を。

 

 

生活保護を受給していない場合

注意が必要なのが「老健に入所するタイミングで生保になりたい」と考えているケースです。

記述の通り、住民票を老健に移すことが出来ません。

そのため、例えば高齢夫婦のうち片方が老健へ入居する際、その当人だけ住民票を移し「単身世帯として生活保護を受給する」という選択が簡単には取れないのが現状です。

というより、少し険しい道のりになります。

ですが不可能ではありませんので、3つのパターンに分けてチェックポイントを解説していきます。

 

パターン② 1人暮らしの場合

独居の男性高齢者

このパターンは比較的シンプルです。

老健に入所することで『 収入 < 老健での最低生活費 』になれば、入所と同時に生活保護を受給することが可能となります。

※参考までに、私の自治体で「老健の最低生活費」はおおよそ9万円です。

※預貯金がある場合は、使い切ってから保護開始になります。

 

パターン③ 高齢者夫婦のみで生活している場合

老夫婦のイラスト

ここから少し複雑になってきます。

生活保護というのは基本的に世帯単位です。そのため夫婦の片方だけが生活保護を受給するということは原則できません。

例えば、夫が老健へ入居し、妻が自宅に残るとします。

その場合…

管理人

夫婦単位で『 収入 < 自宅(妻)と老健(夫)の最低生活費の合算 』になれば、夫婦そろって生活保護になります。

※「年金の少ない妻では老健の費用が賄えないので、妻だけ生活保護にしてほしい」というのは原則できませんのでご注意を。

 

夫婦のうち片方だけが生活保護になったケース

とは言っても例外もあります。

管理人

ぼかしますが実例から紹介します

◆夫(78歳) 年金…月17万円 要介護3
◆妻(77歳) 年金…月5万円 入院中に左足を切断(要介護2)
預貯金なし。夫名義の借金や入院費の滞納が約100万円あり

夫婦で月22万円の年金収入。しかし家賃や生活費、夫名義の借金返済などで家計は逼迫。

妻は退院に伴って老健へ入所する予定で、夫婦の収入があれば十分支払える金額でしたが、借金返済等で施設利用料へ回せる余裕がありません。

ですが、左足を切断した妻が自宅で生活できる状態ではありませんでした。

2人で22万円の収入が、通常の生活保護基準では対象外になることを承知の上で、生活保護の担当課と交渉し、以下のことを伝えました。

◆22万円の大半は生活費や夫の介護サービス利用料、借金返済に消えてしまう
◆そのため妻が自由に使えるお金は5万円程度
◆5万円では施設には到底入ることが出来ない
◆かといって夫婦が介護サービスを受けながら自宅で生活することも不可能な状態
◆他の親族からの支援も望めない

結果的に、夫の年金を妻に回すことが出来ない事実があり、5万円では施設に入ることもできないと判断されたため、老健への入所と同時に妻だけが生活保護になりました。

管理人

これは少々ヘビーなケースですが、事情があり施設費用が賄えない場合、片方のみ生活保護というパターンもあります

生活保護は原則「世帯単位」ですが、まれに「居所」を見て判断するケースもあります。

費用の工面が難しいなら、生活保護の担当課に相談したり、地域包括支援センターに知恵を借りたりなど相談してみましょう。

 

 

パターン④ 働く世代と同居している場合

家族と老夫婦のイラスト

他パターンと同様に 『 世帯収入 < 最低生活費(家族全員分の合算) 』

であれば世帯全員が生活保護になります。

※資産価値のある家・土地・預貯金などが無い場合に限る

ただし、生活保護の場合「世帯」といっても『実際に生活を共にしているか否か』も重要な判断基準です。

住民票では世帯が別になっていても、実際に生活を共にしているのであれば同一世帯として扱います。

管理人

そのため老夫婦だけ生活保護で、子供たちは自分の収入で暮らす!ということが出来ません

生活保護になるなら「この家にいる皆で!」という認識です。

※パターン③の特殊ケースが受けられる可能性はあります。

 

 

地域包括支援センター経由で生活保護の担当課へ相談するのがベスト

生活保護の担当課に相談する高齢男性

パターン①・②の場合は、そのまま生活保護の担当課へ相談すれば良いです。

ですが、パターン③・④に関しては専門家が間に入らないと判断が難しいので、まずは最寄りの地域包括支援センターに相談してみましょう。

◆世帯状況(誰と暮らしているか)
◆経済状況(収入・預貯金・持ち家の有無)
◆収入と支出
◆本人の体の状態や認知症の有無

最低でも4つを整理した上で相談してみます。

その結果、「生活保護の申請が必要そうだな」とセンター職員が判断すれば、担当課へ交渉してくれます。

※もしここで「相談へ行ってください」と投げられたなら、一緒に動いてもらうようお願いしましょう。

包括のような専門窓口であれば、生活保護の担当課にいる重役や話のわかる職員と繋がりがあり、個別交渉してくれます。

管理人

私も人脈を使って交渉しています

老健への入所と同時に生活保護受給というのは、少しトリッキーな案件です。そのため、専門家のスキルをフル活用すべく、まずは包括に相談することをオススメします。

 


いかがでしたか?

まずは「収入と支出」がどの程度かによって受給の可否が分かれます。

収入より支出が高いようであれば、生活保護への道が開けますので、まずは自分のお財布事情を整理しながら、その後の動きに関しては専門家と一緒に動きましょう。