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家族を介護していて疲れていませんか?先が見えなくて不安ではないですか?誰にも気持ちを吐き出せずに辛い思いをしていませんか?

特に認知症の人の介護は心身ともに疲弊します。それは皆さん実感していることでしょう。

介護が辛く明日を生きる希望を持てない方からの電話相談も地域包括支援センターには多く寄せられます。

ただ、あくまでも専門職の立場での経験談などをお話ししたり、お気持ちに共感する事しか出来ません。

もっと近くで、もっと寄り添って対応したいのはやまやまですが、これが私たちの限界です。

しかし、かといって認知症の人を介護する方たちに救いの手を差し伸べることが出来ないかというと決してそんなことはありません。

 

「認知症の人と家族の会」があなたの辛い思いにしっかりと寄り添ってくれます

「認知症の人と家族の会」という組織をご存知でしょうか?

全国規模であり都道府県ごとに支部が設置されています。

この会を活用しながら孤独な介護生活を乗り切っている人たちも数多くいらっしゃいますので、今回は、この組織がどのような活動をしているのかなどをご紹介します。

 

 

どのような組織なのか?

認知症の人と家族の会のパンフレット

「認知症があっても安心して暮らせる社会」を目指して1980年に設立されました。

1万1千人の会員を抱えている非常に大きな組織であり、会員のほとんどは実際に認知症の家族を介護してきた(している)人たちです。

このような方たちが各支部・各地域で同じような悩みを抱えている人たちに対して、少しでも明るく前向きに介護が出来るよう、そして、1人で抱え込まないよう精力的に活動しています。

各地域で「集いの会」と称して、実際に介護をしている地域住民たちを招いて相談にのったり愚痴を聞いたりする場を設けたり。

あるいはコールセンターで電話相談を受け付けるなどの取り組みが見られます(曜日・時間の指定あり)。

若年性認知症に関しても経験者が多数在籍していますので気軽に相談できます。

 

 

あなたをより理解してくれる

ここを活用することの何よりのメリットは、相談を受ける側も以前はあなたと同じ立場である「当事者」だったということです。

コールセンターで電話を受ける担当もそうですし、集いの会などで召集されるメンバー(サポーター)も同様です。

そのため、あなたの辛い気持ちは痛いほどにわかることでしょう。これから先に起こり得る事態も具体的に予測してくれます。

あなたと似た境遇だからこそ投げかけられる言葉がありますし、励みになる言葉があります。

これは認知症に関する数多くの相談を受けている地域包括支援センターの職員でも難しいです。

「あなたと同じ立場」であることが、何よりも励みになるからです。

手を取り合う動物たち

ただ、電話相談したい場合には支部や会の本部の番号に掛けないよう注意してください。

ここはあくまでも会を運営する事務局のような所ですので相談員は配置されていません。

支部ごとに「コールセンター」があり、そちらが相談窓口になっていますのでお間違えの無いよう注意してください。

 

 

悩みや不安を吐き出し介護生活を乗り切ったAさん

≪ケースの概要≫

◆本人74歳 アルツハイマー型認知症 要介護2
 デイサービス 週4回利用
◆妻68歳(Aさん)  2人暮らし

本人は4年前に認知症の診断を受け、去年からデイサービスを利用することになりました。

見当識障害により外へ出ていこうとしたり、トイレ以外の場所で排泄したりなど目が離せない状態が続き、時にはAさんの諭す声掛けが荒々しくなることもあり、それに対し本人も逆上するように怒鳴る・叩くなどの行為があったそうです。

夫のことが嫌いではないものの、他に頼れるような親族は不在であり付きっきりで面倒を見なければならない。

デイサービスに行っている時が唯一の息抜きであるが、帰ってきた時のことも考えて準備する必要があるため結果的に休む暇がほとんどない。

そんななか、役所の広報誌に認知症の人と家族の会が主催する介護をする人たちの交流会が直近で開催されることを知る。少しでも気持ちを吐き出したい一心で参加することを決意。

当日、Aさんと同じような境遇の方たちが集まり、会からは4名のサポーターが参加。グループごとに自身の状況や不安、愚痴などを言いながら時間を過ごしました。

参加したことによって自分より辛い状況ながらも前を向いて頑張っている人や、サポーターたちの経験談を踏まえたアドバイスを聞くことによって、「私は1人ではない!」と強く感じることが出来たそうです。

また、コールセンターの電話相談も活用できることも知ったため、負担が大きくなった時には連絡していました。

会に参加してから2年後、夫が外出先で転倒、骨折して入院になりました。退院の話が出た時には自宅で介護できる状態ではなかったため、介護付有料老人ホームに入居しました。

Aさん曰く、夫をここまで介護出来たのは家族の会があったからだと言っていました。サポーターや同じ境遇の人たちとの情報交換は強い心の支えになったそうで、今では会に参加していた人たちと旅行に出掛けるほどの仲になったとのことです。

 

 

抱え込まない・頑張りすぎない

手を取り合い輪を作る老若男女

薄々感じているでしょうが、介護の最大のコツは抱え込まないことです。

ただ、目の前の対応に追われていると客観的に物事を見ることができず、つい1人で頑張ってしまいます。

介護という先の見えない暗闇に単騎で向かう姿勢には頭が下がる思いです。

私自身も、老人ホームで介護の経験があるので辛さは少しばかりはわかります。

ただ、1番怖いのはあなたが倒れてしまう事です。あなたが壊れてしまったら誰が家族を見るのでしょうか。

ショートステイなどの一時的な利用によってカバーできますが、そういった形で入居に至るのは不本意です。

だからこそ今日のテーマにある「認知症の人と家族の会」を活用しましょう。

気持ちを吐き出したり、思いを共有することでガス抜きが出来ます。視野が広がります。手を抜きながらも今の介護レベルを保つことも出来ます。

介護というのは1人で行うものではありません。必ず複数人あるいはチームで対応しましょう。

介護を頑張っている人が不幸になる現状を見ると私も悲しくなります。

辛い時こそ周りを巻き込みながら、少しでも明るく前向きな介護生活が送れるよう「適度に」頑張りましょう。

(リンク)【お悩みコラム②】親の介護に疲れ果ててしまった。このままでは限界…

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