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デイサービス以外にも通うタイプの介護保険サービスがあります。今回お話しする通所リハビリ(通称:デイケア)は文字通りリハビリに特化したものですが、事業所の数自体は多くはありません。

ほとんどは介護老人保健施設に併設されており、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ専門職によるケアを受けられることに特徴があります。あまり利用している方は多くありませんが、使い方によっては非常に効果を発揮します。

(リンク)介護老人保健施設ってどんな施設?

 

サービスの内容

介護・看護職員に加え、理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)などの専門職が配置されており、デイサービスよりもリハビリ体制をしっかりと整えた事業所です。1日滞在型(9時~16時)がほとんどですが、最近では2時間程度の短時間タイプも開設されており、選択肢は広がりつつあります。

利用されている方の心身の状態に適したリハビリメニューをPTなどの専門職が決め、毎回個別で訓練に付き添ってくれます。例えば、骨折にて入院したことを機に下肢筋力が低下した人に対しては、PT(OT)よる歩行や階段昇降などのメニューを取り入れたり、脳梗塞によって言葉が出にくくなった人へは、STによる発声訓練や嚥下訓練などを集中的に行います。利用者ごとの状態に合わせた訓練を「個別リハビリ」と呼び、デイケアの特徴的なサービスと言えます。

個別リハビリ以外の時間はデイサービスと同様、他利用者とのコミュニケーションや集団レクなどを行い過ごしますが、より機能訓練を意識した内容であることに特徴があります。「通所リハビリ」と謳うくらいですから、時間とご本人の体力の許す限り活動します。

ただ、ほとんどのデイサービスでは「外出」と称して果樹園や観光地・ショッピングモールなどへ出向くことがありますが、デイケアにおいては望めません。基本的には事業所内で過ごすことになります。ですが、入浴は出来ますので介護者の負担軽減としては十分に機能します。

外来リハビリとの併用は不可

注意が必要な点があります。それは外来リハビリと通所リハビリを同時に利用することが出来ないということです。

外来リハが終了する2ヶ月前までだったり、それぞれ別の疾患によるリハビリを目的とする場合には併用可能ですが、それ以外は認められていません。基本的にはどちらか片方のみしか利用できないと思ってください。

 

料金

デイサービスと同様、要支援(1・2)は定額制、要介護(1~5)は1回○○円という形になっています。ただ、専門職が充実しているため料金は割高です。

介護度 料金(1か月)
要支援1 2000円
要支援2 4100円
介護度 料金(1回あたり)
要介護1 800円
要介護2 950円
要介護3 1150円
要介護4 1350円
要介護5 1500円

このように基本的な料金はデイサービスとほとんど差がありませんが、職員体制やリハビリの実施度合いによって加算が豊富にありますので、良質なデイケア事業所ほど表よりも高くなります。平均すると200円~300円ほどが表の料金から加算されます。

 

施設に入居している人のデイケアの使い方

サービス外付けタイプの方でもデイケアを利用している方はいらっしゃいます。しかし、個人的な考えですが、単に施設の外へ出る機会や他者との交流を持つことが目的ならばデイサービスの方がメニューは充実しているためオススメです。

デイケアを利用するなら、病気によって心身低下の恐れがあり、それを予防・改善させる場合が良いでしょう。パーキンソン病や脊髄小脳変性症などのリハビリが効果的な場合や、脳血管疾患によって麻痺が残り、これ以上拘縮や身体機能を低下させたくないためなど、リハビリにおいて医療との連携が求められる際に有効です。

病的な理由からリハビリを必要としないのであれば、リハビリ特化型のデイサービスで十分です。

また、「入居者と同じ所には通いたくない」という方もいらっしゃいます。近隣のデイサービスなどは同じ施設の入居者が集中してしまいますので、あえて外すという意味でデイケアを利用するのもアリだと思います。リハビリに明確な目的が無ければ基本的には使わないような所ですので、入居者同士で再び顔を合わせる機会も少なくなるでしょう。

 

個別リハビリは短時間で終わってしまう

その人の状態に合わせた個別のメニューを実践してくれることに最大の魅力があります。しかし、デイケアにおける個別リハビリの提供時間は約20分ほどです。1日滞在するなかの20分だけで終わってしまい、あとは集団レク・リハビリをしながら過ごします。

集団レク・リハビリもバラエティに富んだ内容で、かつ効果的な訓練となっていますが、個別リハが短時間で終わってしまうため、デイサービスとの差別化が図りきれていない現状にあります。

「マンツーマンで入念にリハビリしてくれる」と思い込んでしまい、いざ利用してみると数十分で終わってしまうことに拍子抜けする方が多少なりともいます。しかし、これが介護保険制度の限界です。20分という時間を長いと捉えるか、短いと捉えるか…。ただ、どちらにせよデイサービスより充実したリハビリ体制とプログラムが取り揃えてありますので、機能の維持・向上を目指して少しでも頑張りたいと言う方には適しています。