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色々なタイプの老人ホームが次々と建設されていますが、自立から看取りまで、あるいは医療依存度が高くなっても同じホームで対応できる施設は多くありません。

しかし高齢になると病気や怪我など様々なリスクがあるため、どのような状態になるか事が起きない限り誰にもわかりません。高い費用を支払って医療体制の手厚い有料老人ホームに入居しても、結果的に退去した方も実際にいらっしゃいました。

老人ホームの転居は家族やご本人にとっても負担が大きなものです。次の施設探しや、見つかった後の契約行為、物品の搬入や施設での生活に慣れるまでの期間など…。

新しい環境に慣れてもらうには多大な心労はありますので、そういった負担を軽減できるよう、また、住み慣れたコミュニティで継続した暮らしができるような取り組みがなされています。それが今回ご紹介する『高齢者福祉総合施設』です。

 

高齢者福祉総合施設とは?

一言で表すなら「高齢者を中心としたコミュニティの場」です。施設によっては子供や障害者、若い親など、多くの人たちが世代を超えて集まる場所を言います。

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高齢者福祉総合施設を中心として、地域との繋がりを継続して保てることが何よりの魅力と言ってよいでしょう。そして、こういった施設には、様々な高齢者施設・サービスが設置されています。

特養や有料老人ホーム、サ高住など色々な施設があったり、ヘルパー事業所やデイサービスなどの在宅サービスもあります。場所によってはクリニックや訪問看護ステーションも併設されている所もありますので、医療面でのケア十分に対応できます。それが「高齢者福祉総合施設」と言われる所以です。

 

一例をご紹介

私がこの前研修に足を運んだ際に紹介されていた高齢者福祉総合施設がありましたので、ご紹介したいと思います(施設名などは伏せておきますがご了承ください)

とある医療法人が経営している所ですが、以下のような施設・事業所が敷地内に設置されていました。

◆特別養護老人ホーム
◆ショートステイ
◆サービス付き高齢者向け住宅
◆デイサービス
◆訪問介護事業所
◆居宅介護支援事業所
◆小規模多機能型居宅介護支援事業所
◆クリニック
◆訪問看護ステーション
◆配食サービス

イメージできるでしょうか?これだけの設備が1つの敷地内にあります。そのため、1度入居すればほぼ全てが、ここで賄えてしまいます。

周辺には図書館やスーパー、レジャー施設などもありますので、敷地の外へ出て気分転換することも可能です。ご本人の介護度にもよりますが、自由に動ける方であれば施設を基盤として色々な場所へ遊びに出ることが出来ます。

また、クリニックには人工透析ができる設備があったり、ターミナル対応のできる医師が常駐しているため、医療面での対応も万全です。

 

全てが敷地内で賄える

これほどの設備ですので、一度入居してしまえば最期まで生活を続けることが可能です。例えば、…

お元気な状態でサ高住へ入居し、スタッフの見守りを受け安全な生活を続けながら、近隣へ出かけることで社会との繋がりを継続する。

買い物や部屋の掃除が大変になってきたら介護保険を申請してヘルパーを利用する。また、体を動かす機会が欲しい場合にはデイサービスに通う。(担当のケアマネジャーは併設されている居宅介護支援事業所のスタッフに依頼)

外の病院へ受診するのが大変になってきたので、併設されているクリニックの医師に診察してもらう。その後の定期的な病状観察については訪問看護ステーションを利用する。

要介護状態となり、日常生活に継続的なサポートが必要になった。そのため、ケアマネジャーに調整してもらい、ヘルパーによる家事代行とデイサービスでの機能訓練の回数を増やす。また、食事については配食サービスを利用。病状の管理については引き続きクリニックの受診と訪問看護ステーションに依頼。

サ高住の生活を継続してもよかったが、様々なサービスを利用しており費用も高額になっていた。費用面から鑑みて、隣接している特養へ申し込みを行い、入居となる。

特養で安全な生活を続けていたが、いよいよ状態が不安定となる。クリニック医師による指示のもと看取り体制を整える。

家族やスタッフに見守られながら、元気な頃から生活していた施設で安らかな最期を迎える。

ちょっとストーリー仕立てになっていまいましたが、敷地内にこれだけの環境があるということは、どのような状態になっても対応が可能ということです。実際にこのような亡くなり方をされた人が何人もいらっしゃるようです。

この総合施設では気管切開や末期がん、中心静脈栄養(IVH)など色々な疾病に対応できるということで、医療機関に近いレベルの医療を提供する体制が整っています。これなら状態変化によって退去を迫られることはないでしょう。

 

お近くの高齢者福祉総合施設を探すには

これを見て気になってくれた方もいらっしゃると思います。ではどのように探せばよいでしょうか?

1番良い方法は、「高齢者福祉総合施設 + 地名」で検索することです。これでヒットした総合施設がご自分の意向や考え方に合えば、そこへ資料請求や見学などをします。

老人ホーム検索サイトの活用も考えられるのですが、正直言うと「高齢者福祉総合施設」として検索できません。募集はしているのでサイト上に情報が載ってはいるのですが、一目にはそれが総合施設だとは判断できないのです…。

どうしても総合施設に入居したかったり、まずは情報だけでも入手したいということなら、まずはネットでピックアップされた施設に直接問い合わせた方が早いでしょう。

なかには多世代が一度に交流できるような総合施設もあり、社会との繋がりを保ちやすいです。この「繋がり」が元気に過ごせる1番の秘訣だったりしますので…。

数はそこまで多くないですが次々と建設されてきています。もし老人ホームをご検討の方は選択肢の1つに入れてみてはいかがでしょうか?